今年も一応振り返ってみる。
1月13日 ジャック達、他 「ALCOHOILIDAY SHOW TIME Vol.27」 @ 新宿ニューベリー
4バンド出演であっというまだったけど、1年のライブ幕開けがジャック達というのはうれしかった。そういえば、この日配布のキハラさんバージョンで、メンバー4人による『HILAND裏攻略本』が完結したのだった。あれ今年のことか…。
ドラマー夏秋文尚さんがサポートで叩いた(その後正式メンバーに決定)こまっちゃクレズマを、はじめて体験。恐い人という印象を持ってた梅津和時さんがあんなに愉快な人で、難解な音楽なのではと思ってたこまっちゃクレズマがあんなにエキサイティングなサウンドで、と、つまらない先入観がすべてふっ飛ぶ楽しい夜。
2月10日 福島ピート幹夫 40th BIRTHDAY PARTY!Vol.1 @ 渋谷CLUB QUATTRO
ピートさんおめでと!の第一夜。松永孝義バンド、ハシケンフルバンド、SAKEROCK、すべての出演者がすばらしかったけど、とりわけKILLING FLOOR のカッコよさがハンパじゃなかった。
2月15日 福島ピート幹夫 40th BIRTHDAY PARTY!Vol.2 @ 下北沢440
ピートさんおめでと!の第二夜。3時間半で10ものアーティストの生演奏を観るなんてこと、二度とないだろうね…。ジャック達を含むすべての出演者が規格外のおもしろさ、ひたすら濃かった。
3月9日 ジャック達「MONTHLY SPECIAL LAST SHOW」 @ 赤坂グラフィティ
ゲストに神園さやかちゃん。07年10月から始まったジャック達月イチライブ、ほんとに6回続いてこの日がラスト。ジャック達を毎月観られるシアワセもこれが最後か…とちょっとさびしくなる。
3月21日 西村哲也、グランドファーザーズ @ 赤坂グラフィティ
西村哲也バンドはもちろん相変わらずのすばらしさだったけど、ゲストの青山陽一さんが加わってそこに立ち現れた“グランドファーザーズ”にはヤラレた…。「CLEANING INSIDE」の奇天烈なカッコよさ!「ROUGH MIXのテーマ」の激甚な重たさ!
4月11日 カーネーション「シュガータウンの荒馬」 @ 渋谷CLUB QUATTRO
まだ前半もいいとこだったのに「やる果て」で涙があふれてしまう。思い出のハコ・クアトロでの、私にとっての改装前最後のライブがカーネーションとなったのも、感慨深かった。
4月18日 メトロファルス @ Shibuya O-West
ヨタロウさんの輝きが尋常じゃなかった。メトロファルス、肩の力抜けてるクセにつくづく凄みのある音楽集団。西村哲也さんのサポートギターもおそろしいほど命中しまくり。
4月27日 Mio Fou、福原まり @ 代官山 晴れたら空に豆まいて
バンド感が増して、ますます他のどこにもない音楽になってたミオフー。キモチ悪さバツグン(ホメ言葉)、これこそプログレど真ん中!(と私は思った。)
5月17日 esq Tour '08 “With The Band” @ 目黒BLUES ALLEY JAPAN
ポップさの底にとんでもなくアグレッシヴなロック魂を持つバンドサウンド。共通点のなさそうな6人(笑)が、目指す音にぴたりと照準を合わせて、至高の演奏を飛ばす風景のすばらしさ。esqバンド、ほんとうにいいバンドだなあ…。
6月4日 こまっちゃクレズマ、山田晃士&流浪の朝謡 @下北沢440
前回私が観たときに比べて、夏秋さんのドラムが格段に「こまっちゃクレズマの音」になっていることに驚く。時間と体験を共有してはじめて生まれるもの。バンドって、こういうことなんだな…。
6月15日 ジャック達「Beautiful Girls & Highlanders」 @ 新宿ニューベリー
大好きなバンド・ジャック達からオリジナルメンバーのピートさんが脱退、というできごとは、…そうだな、書ければまた別に書くけど…、とにかく私にとって大きく寂しく重かった。最後に「1st & 2ndアルバムを曲順どおりに全曲演奏」なんて泣けることして、ピートさんは去っていった。もちろんこの日も、ジャック達は「最高の4人」だった。
6月26日 青山陽一、Small Circle Of Friends 「怪しい隣人vol.13」 @ 下北沢CLUB Que
ほんとに久しぶりの、フルバンド BM's。やっぱり、いい。青山さんの曲の孤高さにあらためて目を見張る。
7月6日 esq “The Trio”Tour '08 @ 片瀬江ノ島 虎丸座
三谷泰弘さんが、ドラムの夏秋さんとベースのBARAさんとで試みた3人きりのトリオライブ。バンドとはまったくちがうアレンジ、「この3人でしか出せない音」へのトライアルがすばらしかった。
7月12日 カーネーション「都まつり」 @ 東京キネマ倶楽部
ゲストの鈴木慶一さんとのセッションコーナーで直枝さんが歌った「塀の上で」にグッときてしまう。
7月28日 Jason Falkner @ 渋谷O-nest
去年に引き続きまた単独やってくれたジェイソン・フォークナー。曲はいいわ、歌はうまいわ、ギターもうまいわ、そしてそれらすべてを忘れちゃうぐらいひたすらカッコイイわで、もう大変なことに!(私が。)
8月2日 esq “The Trio”Tour '08 @ 千葉 LIVE HOUSE ANGA
この「トリオ」の音が、こんなにも独特の魅力を持つなんて、ツアーの始まるころには、リスナーもメンバー自身も予想しなかったんじゃないかな。短いツアーのあいだに急激に成長したバンドサウンドの、果実の輝きを見るようなすばらしいライブ。
8月31日 こまっちゃクレズマ @ 代官山 晴れたら空に豆まいて
ゲストの沖縄県無形文化財保持者・大工哲弘さんったら、なんてチャーミングなおじさんなんだろう!こまっちゃクレズマの音楽と大工さんの歌が飄々と自由に絡み、底抜けに楽しい夜。
カーネーションの大田さんをサポートベースに迎えての“再起動”。ずっと想像と不安の中にあった「新生ジャック達」の姿が、あまりにも力強くあまりにも堂々としていて、うれしさを突き抜けてふっ飛ぶ。さらに凄くなっちゃう予感さえ満載。ジャック達、なんてタフなバンドなんだろう。
10月4日 西村哲也+MARCY'S HOTEL @ 吉祥寺MANDA-LA2
次々襲いかかる張り詰めた演奏の嵐。最初の3曲ですでに瀕死。今の西村バンドは、日本の音楽シーンの中でも、最強のメンバー、最高の音をしてると思う。
11月2日 鈴木博文『凹凸』発売記念ライヴ @ 青山月見ル君想フ
博文さんをはじめ、ただただ男っぽいバンドの、ざっくりとした音が心地よい。それにしてもアンコール、「JITABATA」と「Fence」を続けて演るなんて、反則すぎるでしょ…。
11月3日 ジャック達、東京ローカルホンク、鈴木祥子@吉祥寺MANDA-LA2
『GOLDEN POPS VOL.11』。この日の一色進のMCは、後世に長く語り伝えられるだろうな。…なんてこと以上に、演奏の凄さ!ジャックもホンクも。そしてジャック達+祥子さんのカバー曲は想像のはるか外だった。超レアな楽しさ。
11月19日 The Troubadours @ 渋谷DUO Music Exchange
ずっと気になってたザ・トルバドールズ、観られてよかった。若くて才能のあるバンドが疾走しはじめる瞬間の独特の輝きを目にできるのは、貴重な体験。
12月10日 ムーンライダーズ「Tokyo,Round and Round 2008」 @ 渋谷AX
いろいろな事情の結果、この日のムーンライダーズが今年のライブ納めになっちゃった(まさか12月に1回しか行けないなんて…)。バンドとして機能しているときのライダーズはやっぱりいちばんカッコイイ。最初の3曲の重たさと特殊さにつくづく参る。そしてかしぶちさんと夏秋さんのツインドラムに撃ち抜かれて微塵に。
という感じの2008年。行けない行けないと言いながらも、去年より2回多い、全24回。これ以外の行けなかったライブのことを考えるとちょっぴり悲しくなるけど、まあ今の私の諸状況では仕方ないね…。いろいろなタイプの生演奏を体験したいという気持ちはつねにあるのだけど、現状ではターゲットを相当絞らざるを得ず、そうなるとやっぱりいちばん好きな、重ためのバンドライブばかりになっちゃう。でも、こうして実際に足を運んだ公演を眺めてみると、いいライブにたくさん行けたな、と素直に思えるよ。
そんなわけで「2008年 マイ・ベスト・ライブ」は
1. ジャック達「再起動」 @ 新宿ニューベリー(9/28)
2. 西村哲也+MARCY'S HOTEL @ 吉祥寺MANDA-LA2(10/4)
3. esq Tour '08 “With The Band” @ 目黒BLUES ALLEY JAPAN(5/17)
バンドの強靭さ、というものを感じた3つのライブ。特にジャック達の「再起動」ライブは、「バンドってすごい」と思ったし「ジャック達好きでよかった」とあらためて思えて、2008年の私のひとつのエポックだったかも。
月ドラ的トピックとしては、2008年は「毎月」どこかでドラマー夏秋さんを観られたのがすごかった!ジャック達、esq、マーシーホテル(西村哲也バンド)、こまっちゃクレズマ、といった常勤バンドに加え、ムーンライダーズ、ミオフー、博文ソロ、と夏秋さん大活躍だったので。2009年も、あの大好きなドラムの音をたくさん聴けるといいな。
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